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アフタコロナはオフィスかリモートか:Resetting intuition

日本のアフタコロナははるかに先だが、ワクチン接種が進むアメリカでは「オフィスかリモートか」論争が再び取りざたされている。工場はさておき、金融系などではハイブリッドも一部あるがオフィス派が多い。

WeWorkの新CEOは「会社に対するロイヤリティが低い社員ほどリモートを好む」とWSJで明言していた(後に炎上して謝った)。一方フルオフィスになったら約3割の社員が転職を検討するという調査もある。「オフィスに行かなくてはいけなくなるなら、ワクチンは打たない」という知人を頭に浮かべると妙に納得する。

オフィス派の主な論拠は「教育指導しやすい」「文化の共有がしやすい」など、コロナ前の姿を再現しようというものだ。今後の新しい働き方とか企業文化や社員との新しい関係はほとんど言及されていない。昔の姿を目指すなら、そりゃ昔のやり方がいいでしょう。

このコラムでも何度か触れたMcKinseyから一杯くるメールの中で「Resetting intuition」とあってハッとした。昔の常識の延長で将来を考えたら「想定外」が起こるはあたりまえだなあと。そして、そこに差別化のチャンスが有る。

アメリカ時代に聞いた調査で「理想の通勤時間は?」というものがあった。答えは30分、0分でも5分でもない。偉そうなことを言っても、現状に引っ張られる人間の想像力なんてこんなものだと思ったほうがいい。アフタコロナでもオフィス優位も満員電車も変わらなそうだ。え、今でも変わっていない?