ゼミ生祁君のブログにもあるIGPIのクラスに最後に登場した冨山氏には、「2016年からパナソニックの社外取締役になっているが、ソニーに比べて業績改善はいまいちでは？」という厳しい質問もでた。これに対する冨山氏の答えは明快で「ソニーも構造改革に10年かかった。パナはやっと緒に就いたばかり。大企業を変えるというのはそういうこと。」

その後、バーチャルになった学会（SMS）でマイクロソフト（MS）の沼本健さんのスピーチを見る機会があった。オワコンになりかけたMSの時価総額は2018年くらいから上がりだし、現在約170兆円、アップルには負けるがその他のGAFAを抑え、世界第2位である。その背景はクラウドシフト。

スピーチの中心はOffice。2002年にはそもそもダウンロード版もなく、2012年になってやっと発売、そして花咲くまでに更に約6年。名前がOffice 365になっただけで、中身は変わってないにもかかわらずである。

ワクチンやGo to (の停止) のように、私たちは「今すぐ何とか」を求めるムードにある。当然と思うが、今日の行動の結果が5年後、10年後に出ることを忘れてはいけない。組織も人生も「変える」とは、1回のイベントではなく、今できる小さな行動の積み重ねであることを。