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Stay relevant

おそらく今シリコンバレーで最もホットな経営者は、ジェフ・ベゾスでもイーロン・マスクでもなく、サティア・ナデラではないかと思います。「恐竜」「終わった」と言われていたマイクロソフトをよみがえらせたCEOです。

もちろん、その背景には、なんだかんだ言ってウィンドウズやオフィスという「金のなる木」があったわけですが、彼の最大の功績はクラウドに振り切ったことでしょう。

「いや、そんなことはわかっていた」という人は多いと思います(私もコンサル時代によく言われました)。ただ、誰もやらなかった。そういうことって多くないでしょうか?年を取ったせいか 最近 特に思います。いろいろみんな言ってるけど、答えってわかってんじゃないの?ただ「でも周りが」「遅すぎる」「無理」とか言い訳をして先延ばしする(そして本当にできなくなる)だけじゃないの?

彼はダボス会議のインタビューで「効率的とは?」という問いに「I finally recognize it’s not about allocation [of time]. It is about making sure you have a filter called, “Is this something that only I can do?” It’s more about making sure that your participation is adding value and is necessary.」と答えています(WSJ, Feb 1, 2019)。

そしてもう1つ目に飛び込んできたのは「stay relevant」です。彼の戦略はこの言葉に尽きると思います。日本語にしにくいですが超訳すれば「古くならないようにする」でしょうか。過去の成功にしがみついて、独りよがりにならないようにどうするか。「成功には賞味期限がある」と言っていたのは、ハードルの為末選手です。

これを取り上げたのは、先日バスツアーで日帰りスキーに行き、久しぶりにスクールに入った時に、先生から「ステンマルク時代の滑りですね」と言われたことと関係します(何のことかわからない人のほうが多いかも)。一緒に指導を受けていた中学生の女の子のほうが上達が早いのを見るにつけ、過去の歴史を背負いながら「stay relevant」であることの大切さと難しさを改めて感じました。ニセコで3日滑って何ともなかった腰が痛い!