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情報共有とコスト:バーチャルAOM2020(3)

ロンドンビジネススクール(LBS)のコスタス教授とは20年前に就職のインタビューを受けて以来の付き合いだが、ギリシャ(彼の出身地)のリゾートからの登壇。「コロナで新しくなったことは何もない。デジタルもリモートもすでにあったことが加速されただけ」というのはその通りと思った。最近ではチームラボの猪子さんも同じことを言っていた。「変わる」と言うとみんなの関心を引き、もうかるからだと。

2011年に上梓した『戦略と実行』では、コミュニケーションの重要性を強調した。今回のAOMそして巷であふれるAIや「新しい働き方」(これが何を意味するかはともかく)などなど、結局1周回って企業の要は「情報共有」に落ち着くと思う。実際、苦しい環境にある企業は情報共有ができているほど一丸になるという発表もあった。トップから見て都合のいいときだけ、やりたくないことだけ権限移譲してもダメで、やるのなら徹底的にしなくてはならないという発表もその通りだと思った。

今後は「情報共有のコスト」が大きなポイントになるだろう。ITの進化で一見共有化は楽にできそうだが、人間の認知能力に物理的、時間的な限界がある以上、どの情報を共有するか、共有の意図、解釈…。情報共有は手段である以上、目的達成のためには必ず間接的なコストが発生する。「対面じゃないとニュアンスがどうのこうの」といった漠然とした議論は意味がない。何が必要で、そのための本当のコストはどれくらいか、そしてそれだけのコストをかける価値があるか。

久しぶりに行きたかったロンドンの10月の学会もコロナ問題でバーチャル。去年の今頃は入院中だったと考えればまあいいか。