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新聞の「読み方」を考える(3)

このシリーズ最後として、新聞ではなくNHKで見た白洲次郎の番組から1つ。彼の魅力は「考え抜くこと」「先を読むこと」とゲストは言う。

「考え抜く」と「考える」とどう違うんですか?なんて質問は司会はしない。なるほど、と感心して見せるだけである。「よく考える」っていうことなのか?「結論が出るまで考える」ってことなのか。

「先を読む」っていうのはますますわからない。預言者じゃあるまいし。ビル・ゲイツは以前から新型ウィルスの可能性を危惧していたそうで「もっと強く言うべきだった」というWSJの記事を見た。でも、強く言わなかったっていうことは、何かが起きてから「俺は予想していた」と声高に言う並みの人とあまり違わないかももしれない。

結局「先を読む」「考え抜く」とは、上手に予想することでは決してなく、「大丈夫だろう」「これまでもそうだった」という根拠のない過去への依存や思い込みを排して、状況を冷静に判断することではないか?目の前にある情報の見方や解釈を曇らせる「常識」を取り去ることではないか?そして、小さくても行動が伴わなければ意味がない。

原理原則を忘れて新聞などのニュースを読むことは思い込みを強固にするだけで有害ですらある。「頭の固い人」はそうして作られる。「どうも日本人っていうのは、これは日本の教育の欠陥なんだけど、物事を考える時に物事の原則っていうことをちっとも考えないんだ。」白洲次郎は言う。

写真について。彼は親子丼が好きだったらしいのですが、五反田の焼き鳥丼で代替しました。