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スペイン・大阪で見つけた共通点 ~akippa、トリドール、電動キックボード~

 M41の柿澤です。

 トップ画の写真はスペイン都市部の至る所で走っている電動キックボード(Electric Scooter)です。私は現在、KBSの交換留学制度を利用してスペインのIE Business Schoolに留学しています。現在マドリードに住んでいるのですが、この電動キックボードに乗っている人をとにかくよく見かけます。

 私も使ってみましたが意外に速くておもしろく、爽快。自分の現在地に近いキックボードをアプリで検索でき、自由に乗れ、そしてどこでも好きなところに乗り捨てられるのも便利でした。料金は鍵の解除に1€、走行時間1分毎に0.17€(10分乗るとおよそ350円)。最高時速25kmでロードバイクのような速い自転車と同じくらいです。電動なので、アクセルを回すだけで進みます。マドリードの地下鉄は日本と同じくらいの料金ですので、それと比較すると割高ですが、気温も高く日差しの強いマドリードを歩き続けるというストレスから解消されました。

 そして、この乗り捨てというビジネスモデルを支えているのが、キックボードの提供会社自身ではなく、地元の方々というのが興味深い点です。電動キックボードなので、充電が必要なのですが、この充電をするのは自社ではなく、地元の一般の方々です。地元の一般の方々が、家の近くに乗り捨てられているキックボードを充電し、近くの指定場所に戻すと、その対価が支払われるというモデルです。自社で至る所に乗り捨てられたキックボードを一台一台回収・充電するのではなく、地元の方々に委託することによってこのビジネスモデルを実現しています。

 日本でもこのような、「交通」に関わるサービス、「地元の方々の協力」によって成り立っているビジネスを提供するのもおもしろいなと思いましたが、この2点に共通するサービスを提供している会社に先日ゼミの活動の一環としてお話を伺いました。大阪に本社を構える「akippa株式会社」様です。akippa様では一般の方々などの空いているスペースを自社サイトで紹介し、ユーザーは駐車場の事前予約ができるというマッチングサービスを提供されています。例えば、人気アーティストのライブやお祭りなどのイベント会場付近では、その特定の日時に駐車場の需要が集中するので、駐車場待ち渋滞も発生しますが、その日時に空いているスペースを駐車場として貸し出すことで、ユーザーにも地元のスペース提供者にも喜ばれるサービスを提供しています。130万人を超えるユーザー登録、約3万箇所のスペース登録があり、急成長を遂げています。

 大阪の企業訪問ではもう一社お話をお伺いさせていただきました。うどんチェーンの丸亀製麺などを運営されている「株式会社トリドールホールディングス」様です。トリドール様のお話で印象に残っていることは、丸亀製麺の店舗スタッフはその店舗の近くに住む女性、お母さんと呼ばれるような世代の方々を積極的に採用されているという点です。丸亀製麺の売りは店舗で調理をし、その調理をお客様に見せるということですが、それを支えているのが、地元のお母さんということでした。実際にゼミ生で行った神戸の店舗もたくさんのお母さんが活き活きと働かれていました。

 一見共通点の少なそうな電動キックボード、akippa様、トリドール様ですが、共通していると感じたことは、「地元の方々の協力」を活用することでビジネスを行い成長していることです。地元の方々を商圏内の顧客として見るだけでなく、サービスの供給側として協力してもらっていることがわかりました。東京から離れたスペインと大阪での発見でした。