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ソウルでも驚いた

先週はデンマークでしたが、今週はCKJ (China, Korea, Japan)プロジェクトでソウルのKorean Advanced Institute of Science and Technology (KAIST、韓国のMITと言われている)に行ってきました。中国の清華大学とKBSの3校で始まったCKJは今年で11年目です。毎年持ち回りで場所が変わり、教授陣のワークショップの後は学生が混成チームを作り、約10日間フィールドスタディを中心に取り組みます(今年はentrepreneurial innovationがテーマ)。人生2回目のソウルで感じたことを3つほどあげます。

ディナーで清華大学の先生と名刺交換したときのこと。「これみんなやっているの?」と驚かれました。「名刺くらい常識だろう」と思ってそう答えると、「そうじゃなくて中国語で名前を書いていること」だって。彼女はアメリカでPh.D.を取り、香港でも教えて、しかも清華大学のSEM (School of Economics and Management) では国際関係担当のAssistant Deanというのにです。日本に来たことのない中国の人たちがみんなそう考えているとは思いませんが...

もう1つは(というか、ここ20年くらいずっと感じているのは)個人で話すと日本人、韓国人、中国人はみんなフレンドリーで、発表のやりとりも生産的なのですが、なぜ政治レベルになるとああなってしまうのだろうということです。「実はCKJを始めた時、長続きするかどうか心配だった」という退任されたKAISTのDeanのお話を聞くにつけ「共通の目的」の大切さを感じました。

3つ目。これもディナーで「日本はIWCから脱退したんだよね」とKAISTの先生が持ち出しました。どう答えようか迷っていると、その後に続いた彼の話。「韓国でも釜山に行けば、鯨はいくらでも食べられるよ」「取るつもりではないんだけど、網に偶然引っかかっちゃうんだって」。国際政治の舞台裏ってよくわかりませんが、日本人(あるいは日本の政治家)は駆け引きをもっと学ばないといけないのかもしれません(1、2番目の話もそうです)。国連事務総長、世界銀行総裁を韓国人が務めたのは偶然ではないのでしょう。

北欧でなくても、発見は一杯ありました。実は日本でも目に入っているけど見ていないことがたくさんあるのだろうと改めて思います。