M41坂上です。
皆様GWいかがお過ごしでしょうか?
令和最初の学生投稿ブログということで、フレッシュな気持ちで書き進めていると、長文ブログとなってしまいました。最後までお付き合いいただけると幸いです。
さて今回は、ゼミでも扱いました「因果関係」と「相関関係」について考え、修士論文作成に向けて改めて感じたことを書かせていただきました。
①因果と相関の違い ②変わった相関関係 ③修士論文にむけて の順で書かせていただいております。
①因果と相関の違い
ここでは、因果関係と相関関係の違いを改めて確認します。
因果関係:変数の一方(X)の変化が、ほかの変数(Y)の変化を引き起こす、原因と結果の関係(X→Y)
相関関係:変数の一方(X)が変化するにつれ、他方の変数(Y)が同時に変化する関係(X⇔Y)
(谷岡一郎(2000),「社会調査のウソ」リサーチ・リテラシーのすすめ)
この本で著者は、相関関係があっただけでは因果関係があるとは結論付けられず、XとYに「相関関係(X⇔Y)」があるとき、「X→Yの因果関係」以外にも、少なくとも8通りの別の可能性がある、と指摘していました。例えば「Y→X」、「X→Z→Y」、「Z→X、Z→Y(Zという第三の変数)」「単なる偶然」、などです。
②変わった相関関係
ここでは、相関関係を持つ変わった事例を紹介します。
「アメリカのノルウェーからの原油の輸入量」と「列車衝突による自動車運転手の死亡数」
(http://www.tylervigen.com/spurious-correlations)
これは、①で述べた「単なる偶然の相関」であることが直感的にわかります。そこに因果関係はなく、アメリカ政府が「列車衝突による自動車運転手の死亡数」を減らすために「ノルウェーからの原油の輸入量」を減らすと言い出したら、国民からのバッシングは相当なものとなるでしょう。
このように、「相関」があることは示されるが、「因果」があるとはいえないものは数多く存在し、これらは具体的アクションには結びつけられません。
③修士論文に向けて
修士論文では、自分が証明したい仮説をまず設定することが大切だと、改めて実感させられました。なぜなら、やみくもに調査し、その結果わかった「相関」は何の意味も持たないことがあるからです。我々が証明したい仮説には無意識のうちに「因果関係」が含められていて、その「因果関係」を導くためには「相関関係」を示すだけでは不十分です。①で指摘されていたように、「因果」以外の少なくとも8つ以上ある可能性を否定しなければなりません。つまり、まず自分が示したい仮説がしっかりしていないと、意味のない「相関」を示してしまい、示したい「因果」を証明できていない事象が発生すると考えられます。
令和元年は、仮説の構築に悩まされる日々が続きそうですが、先生にご指導いただきながらゼミ生や同級生と助け合い、元気に過ごしていきたいと思います!