令和初日の早朝にフランスから羽田に着きました。毎年「M&A strategy」を教えている Aix-Marseille Graduate School of Managementでは、最後に必ず日産のケースを議論します(とても示唆の多いケースです)。今年は「ゴーン問題」も追加で取り上げました。ほとんど倒産かと言われていた時にルノーに救済され、ゴーン氏に「立て直してもらった」はずの日産が今回の様になったことは、ゴーン氏の問題とあわせていろいろ考えさせられます。
ケースの他に最近のWSJの記事なども読み、4月に公開されたゴーン氏のビデオを見た後「彼は潔白と思うか?」と意見を聞いてみました。受講した修士学生(ほぼフランス人、一部ドイツ、ベルギー他も含む)15人全員が「有罪」という意見でした。当初フランスでは「日本政府や日産の陰謀」などという報道が結構あったと聞いていたので、少し意外でした。
さらに、一緒に食事をした友人のフランス人教授は「彼はフランスで学位を取り、フランスで成功したけれど、本当のフランス人ではない。それが世論に反映されている」と指摘していました。
どこかで聞いた話です。
アメリカに長くいたこともあって、あるいは海外で教えていたりすると「日本人学生はどうですか」「日本企業はどうですか」という質問を時々受けることがあります。自虐的な見方を含め「違い」を期待されていることが多いのですが、10%の違いに目を奪われて、90%の大筋を見誤ることのない様にしなければいけないと、強く思いました。 比較は大切ですが、その「基準」や「目的」は意外に注意深く考えられていないということも含めて。
クラスが終わった翌々日、去年車で行こうとして大混雑で挫折したEzeにニースから路線バスで行ってきました。ゴールデンウィークで日本人の方も多く見受けられました。「日本人(観光客)は…」と言えるのは、 海外では日本人が目に入りやすく、日本語が耳に入りやすいからだと改めて感じました。