こんにちは。
KBS 39期生の木村(きむら)です。
私は将来の事業承継のためKBSで学んでおります。所属は坂爪ゼミですが、今回訪問企業にとても興味があったことで急遽、同行をお願いさせていただきました。調整いただいた清水先生と清水ゼミの皆様ありがとうございました。
また以下に述べますように貴重なお時間を頂戴した大山社長や本間部長、中嶋様をはじめとしたアイリスオーヤマ株式会社の皆様には心より感謝申し上げます。
11月17日、清水ゼミの皆様と私で、KBSで使う教材(ケース)開発を目的としてアイリスオーヤマ株式会社(以下、アイリスオーヤマ)へ取材に伺いました。清水先生が大山社長の講演を聞かれたときにアイリスオーヤマの取り組みに興味を持たれ、大山社長にお願いしたところ、快く引き受けていただけたとのことです。
午前中は本社(宮城県仙台市)にて代表取締役社長の大山健太郎様と広報室の中嶋様にお話を伺い、午後は総務部の本間部長様と一緒に角田工場(宮城県角田市)を見学させていただきました。
大山社長は19歳の時にお父様がご病気で亡くなられたのを機に、お父様が経営されていた従業員5名のプラスチック工場を継がれたそうです。当時は下請けの町工場でしたが、大山様の強い意志で自社製品開発に取り組み、漁業製品、農業・園芸用品、家具・家電、照明設備(LED)と様々な分野の製品を開発・製造するに至り、2017年にはまた新たにエアコン市場へ参入されています。
石油危機後のリストラというつらい経験から、企業理念の第1条として「会社の目的は永遠に存続すること。いかなる時代環境に於(お)いても利益の出せる仕組みを確立すること」かかげ、それを体現されてきたのかと思います。
今回の訪問で私が強く感じたのは、「ユーザーイン」という大山社長の考え方が社内に深く浸透していることと、実行スピードの速さです。
ユーザーインとは、最終消費者(ユーザー)の視点で製品開発を進めることです。似たようなマーケティング用語として「マーケットイン」がありますが、大山社長は「現在の『マーケット』はそこにいるプレイヤーの様々な思惑により、必ずしもユーザー視点になっていないのではないか」というご意見をお持ちで、実際に製品開発の場でも「あんたの奥さん、ホントにそれ買うの?」といった具合に社員に問いかけるそうです。こうしたやり取りによって社員に「ユーザーイン」の考え方が浸透しているのではないかと思いました。
また、前述した新商品開発会議は毎週月曜日の行われ、ユーザーインの観点から良いものはその場で大山社長が決裁し、開発を進め出すそうです。そういったお話や、工場内の設備から、会社全体のスピードの速さを感じました。
この活動で私がもう1つ感じたのは、清水先生の知的好奇心=学ぼうという意志の高さです。
前述したように多角化を進め、かつ上手くいっているような企業はそれほど多くないと思います。
それに対し、「なぜ上手くいっているのか」「上手くいっていない企業となにが違うのか」をいろいろな言葉を使って(「失礼ついでに申し上げると…」「とは言え、白鳥も水の中でバタバタしていると聞きますが…」「別の企業様で聞いたのですが…」等)質問攻めしている清水先生を見て、自分の「学び」が抽象的なところで止まっていないか、「わかったつもり」になっていないかということをあらためて考える機会となりました。
アイリスオーヤマへは継続的に取材をされるとお聞きしておりますので、また面白いお話がこのブログにアップされるのではないかと思います。
次回以降もお楽しみに!