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ドコモ問題で言われないこと

「ドコモ口座」から不正に預金が引き出されて、ドコモが猛烈なバッシングにあっている。今回は「意識を変えろでは変わらない・下」のつもりだったけれど、来週に延期して一言だけ付け加えたい。

「規模拡大を優先する姿勢が顧客保護の甘さにつながった」(日経9/11)、「繰り返された『利便性のため』」(日経ビジネス9/11)と散々だが、実際の損害額としては約2500万円(拡大する可能性あり)でドコモがすべて負担するという。ちょっと拍子抜けした。振り込め詐欺の被害額は年間300億円である。

もちろん不正を許した認証もよくないし、顧客に迷惑をかけたことは許されない。しかし、マスコミによるイメージ低下を除けば、2500万円が1億円になっても「利便性」の難しいラインを学ぶ貴重な勉強代だったのではないかと思う。多くの金融機関、あるいはお役所は、1つのミスも許されないとばかりにコストをかけまくりそのコストを顧客に転嫁するばかりか、顧客に目に見えない不便を猛烈にかけているからである。

約20年前にYahooBBというサービスが始まり多くの顧客を集めたが、つながらない、更には個人情報が漏洩するなど散々なバッシングを浴びた。だが、もしYahooBBがなかったら、今のインターネット環境はあっただろうか?

2500万円の裏で、どれだけの正規の取引や利便性の向上があったかは全く触れられていない。安全の大切さや心配のコストを否定するつもりは毛頭ないが、この上から目線のバッシングは本当に顧客のことを考えているのだろうか?99%(かどうか知らないけれど)ではダメですか?